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日本で一番人気なバナナに隠されていた産地の『実態』

国内で流通するバナナはほぼすべてが輸入品で、8割がフィリピン産、約1割がエクアドル産です。

フィリピンのバナナ農園で起きている真実…

広大なプランテーションで育てられるバナナは病気や害虫、カビに弱いため、大量の農薬が投入されます。小型飛行機によって空から散布された農薬は、毒の雨となってバナナ農園で働く労働者や周辺地域に住む人々に浴びせられ、皮膚が激しい炎症を起こしたり、失明したりしていると言います。

フィリピンのバナナ農家の多くは日本向けに生産する契約を結んでいますが、口頭で説明されたにも関わらず契約書に署名後、企業に書き換えられて安い価格で買い取られたり、不当な契約も勝手に延長されていたり…といった事例があります。

家族や親戚がバナナを売って収入を得ているケースが多く、企業からの報復を恐れて声を上げられないのが現状です。

国産品が主であるリンゴやミカンは、日本の物価が上がると価格が上昇しますが、輸入品が主なバナナは40年ほど前と変わらず一定の価格を維持しています。

農家と契約している大企業が取引金額を低くコントロールし、労働者の賃金が上がることなく今に至るという驚きの事実があります。

バナナは買い求めやすい価格で消費者に親しまれてきましたが、その裏には農家が苦しめられている現実があったのです。

貿易価格や労働条件、病気に関することなど、バナナにまつわる問題はフィリピンだけではなく、世界の生産国に有る事です。

農家や労働者に不公平な制度を課す企業はもちろん問題ですが、「安さ」を求める消費者の存在もあると言えます。

生産者農家や労働者が内容に見合った賃金を受け取り、現地の住民が安全に暮らせるためには、私たち消費者が現状を理解し、考え、購買行動に起こすことこそが最も大切なのではないでしょうか。

内藤晴輔の想いをカタチにしてお届けする「はるこころ」情報
2024年3月18日号

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