沈黙の臓器と言われている「肝臓」。わたしたち身体の中で最も大きい臓器であり、右の肋骨(ろっこつ)に守られるようにして存在しています。重さはおよそ1kg~1.5kg、なんと体重の約50分の1!
そんな肝臓の主な役割は、3つあります。
- 私たちの体に必要な蛋白の合成・栄養の貯蔵
- 有害物質の解毒・分解
- 食べ物の消化に必要な胆汁の合成・分泌
このように私たちの身体に必要な蛋白を合成したり、有害物質を分解したり、胆汁を分泌して食べ物の消化を助けたり…と、休む間もなく黙々と働いてくれています。
ですが、肝臓に負担をかけすぎると身体がどうなってしまうかご存知でしょうか?
生活習慣の乱れなどで肝臓への負担が大きくなってくると、自覚症状がほとんど無いまま身体のいたるところに支障をきたし始め、自覚症状が現れるころには知らず知らずの間に病が進行して、重い病になっていたりすることも多いことから肝臓は「沈黙の臓器」とも言われているそうです。
筋肉疲労や眼精疲労と比べて「肝臓疲労」はあまり聞かれない言葉ですが、寝不足やストレスなど不摂生と疲労の間に隠れているのが、肝臓です。「食べ過ぎ・飲み過ぎ・睡眠不足・ストレス・運動のし過ぎ」など日常的な行いの一つひとつが、肝臓の酷使や脂肪の沈着につながり、肝臓疲労を引き起こす原因になります。
後悔する事がないよう、早いうちに肝臓が発する危険信号を見過ごさないようにするために、日頃からご自身の身体と向き合い、負担をかけすぎないようにすることが大切です。
肝臓の働きが鈍くなると…
「春」は生き物が積極的に活動を始める季節。そのため、私たちの身体も、冬の間に蓄積してしまった脂肪や毒素を排出しようと動き出します。肝臓の働きが鈍くなると、下記のような状況になりやすいとされています。
・倦怠感
・食欲不振
・筋肉痛
・発熱
・風邪に似た症状が続く
・喉の痛み
・頭痛
・吐き気
・腹痛
・発疹
・黄疸
・目の症状(疲れる・ぼやける・かすむ・視力低下・ドライアイ・白目が血走る・目の周りのクマやシワ)
などなど。
「肝臓に負担をかける」と聞くと、アルコールが思い浮かびますが、アルコールを飲む・飲まないにかかわらず、肝臓に脂肪が蓄積されやすい脂質や糖質をとり過ぎないようにすることが、大切なポイントと考えます。
また、食べたものをきちんと消化しきれないと代謝が落ちてしまい、肝臓ほか身体全体に負担をかける要因にもなりかねません。食事の仕方にも意識を向けてみるのも肝臓ケアの一つに繋がります。
肝機能を改善する生活習慣・肥満を解消する
・糖質、脂質を控える
・良質のたんぱく質・ビタミンをとる
・アルコールは控える
・習慣的に運動する
・空腹を感じてから食べる
・食べ過ぎない
・加工食品などの手を加えすぎた食品は常食しない
この忙しい現代、食事のバランス・適度な運動・睡眠など…コントロールが難しい日々を送られている皆さんの身体、さらに言うと『肝臓』は健康維持の重要な役割を持つ臓器。ご自身のできる範囲で無理しない程度に、生活習慣一つひとつと向き合ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、一般的なアルコールの適量はこのとおりです。
男性:ビール500ml
女性:350ml
お酒を飲まれる方は、楽しみ続けるためにも適量を守ることをお試しください。
内藤晴輔の想いをカタチにしてお届けする「はるこころ」情報
24年3月5日、3月31日号、5月4日号